大自然を融和し「混沌から希望へ」というテーマをもとに創設された中村キース・ヘリング美術館。約300点のキース・ヘリングの作品を所蔵し、彼が今なお発する生命のエネルギーとメッセージを感じられる空間です。
そんな中村キース・ヘリング美術館では、現在ふたつの展覧会を開催しています。
キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス展
ひとつめは、「キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス展」。この展覧会は、へリングが活動した1980年代ニューヨークにおける、「社会におけるアート」「ホモエロティシズムとHIV・エイズ」「アンダーグラウンドカルチャー」「ニューヨークから世界へ」の4つの視点から、ヘリングと社会との関わりや活動の意義を紐解くものとなっています。
ニューヨークで長らく保管され34年間公開されることなかった、日本初公開となる壁画「マウント・サイナイ病院のための壁画」の公開も行われ、ヘリングが残したメッセージを、同時代を生きた写真家たちの記録写真や多くの資料とともに観ることができます。
また、6月は、世界的にLGBTQ+の権利の啓発や認知向上を目指す”プライド月間”として各地でイベントが開催されており、中村キース・ヘリング美術館でも、毎年プライド月間である6月に様々な活動を行なっています。
その活動とこの展覧会の関連イベントとして、6月24日と6月25日の2日間にわたってクィア・フィルム上映会が行われます。「クィア」という単語はジェンダーやセクシュアリティにとらわれない多様な存在を包み込む大きな傘のような言葉。
今年はクィア・フィルムの表現を通して、クィアであることについて考える機会となる初の2日間連続映画上映会を予定しています。
ハウス・オブ・フィールド展
ふたつめは、「ハウス・オブ・フィールド展」。この展覧会では、衣装デザイナー・スタイリストとして『セックス・アンド・ザ・シティ』でアカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート、エミー賞衣装賞を受賞するほか、『プラダを着た悪魔』や『エミリー、パリへ行く』などを手がけたパトリシア・フィールドが、半世紀の歳月をかけて蒐集したアートコレクションを展示します。
パトリシア・フィールドは、「着るアート」をコンセプトとしたブランド「パトリシア・フィールド・アートファッション」を展開し、ファッションだけでなく大衆文化に多大な影響を与え続けている衣装デザイナーです。
そんな彼女のコレクションは、人間の欲望を包み隠すことなく、むしろそれを誇張しながらポジティブなエネルギーに変換し、自分らしく生きることとは何かを問いかける展示となっています。
絵のなかに込められたさまざまな思いを読み解き、八ヶ岳の美しい自然の中で静かにアートと向き合うことで、それらの芸術のエネルギーを感じる時間を過ごしてみませんか?
[中村キース・ヘリング美術館]
- 開館時間
- 9:00〜17:00(最終入館=16:30)
- 定休日
- 展示替え等の臨時休館のみ
- 料金
- 一般=1,500円/障がい者=600円/16歳以上の学生=800円/小人(15歳以下)=無料
- 住所
- 山梨県北杜市小淵沢町10249-7
- 展示特設サイト
- https://www.2023exhibitions.nakamura-haring.com/ja