八ヶ岳でロマンチックな星空を!
ふたりで流星を探す旅のポイント
星空のなかでもロマンチックなイメージがあるのが流れ星。一瞬の儚い光だからこそのロマンと美しさがあります。
ですが、その分特別なもので、流星群のときにしか見られないと思っている人も多いのではないでしょうか? 実は流れ星は普段でも1時間に平均3個程度は現れているんです。
今回はそんな流れ星探しを中心に、八ヶ岳で思いっきりロマンチックな星空鑑賞を楽しむためのコツをロイヤルホテル八ヶ岳の中里拓磨さんに紹介していただきます。流星探しのコツだけでなく、誰かと星空を楽しむためのポイントも教えてもらえますよ。
こんにちは。ロイヤルホテル八ヶ岳で天文担当をしています中里です。2月も終盤になり、少しずつ寒さもやわらぐ季節になってきました。
標高の高い八ヶ岳エリアはもうしばらく肌寒さが続きますが、これからの時期は冠雪した山々の姿など冬の景色を楽しみつつ、だんだん過ごしやすくなってくるいい季節です。また、この地域は「雪深く、車で来るには少々厳しい……」というイメージが強いようですが、実はそんなことはありません。八ヶ岳南麓は雪も少なく、夜も晴れ、澄んだ空気のなか、冬の満天の星空をお楽しみいただける、冬の星空観賞にも適した場所となっています。
もちろんスターラウンド八ヶ岳ウィンターシーズンのように、雪原での星空観賞も行っております。今シーズンは会期が終了しましたが、冬はスキー場として営業しているサンメドウズ清里で、標高1,900mからの星空と雪原をお楽しみいただけます。
さて、今回私からはロマンチックな星空の楽しみ方をご紹介したいと思います。
まずオススメしたいのは、自分たちで星に名前をつけたり、星座をつくったりすることです。星空を楽しむためには星の名前、星座の名前や形を覚えなくてはいけないと思われがちですが、そんなことはありません。星座や星の名前は世界中での共通認識として決まっているものではありますが、自分たちで星空を眺める上ではそういったことに縛られる必要はありません。
ですので、綺麗な星空が見られたけれど、星の名前や星座が分からなかったと残念がることはないのです。
自分たちで名付けた星や星座には、一層愛着がわき、より思い出に残りやすいものです。「あの星座は……、あの星は……」と色々と考えるよりも、見えたままに感じ、オリジナルの星空をつくっていくのもまた、ひとつの楽しみではないでしょうか。
次に流れ星を探してみましょう。
流れ星は流星群の時だけではなく、普段でも平均で1時間に3個、条件が良ければ5個以上流れていることもあります。そのため、平均的には15分から20分の間に1個は流れている確率となります。
人間の目が暗闇に慣れるにはおよそ30分かかりますので、おおよそ目が慣れる頃までに1~2個程流れ星が流れていることになります。
流れ星を探す時は、広い視野で、ゆっくりと眺めることが大切です。視野全体が星空となるように空を眺めていただくのが良いのですが、そのためにちょっとしたコツを覚えておくと便利です。たとえば冬の大三角のように明るい星2〜3個を目標にして、それらを中心に星空を眺めていただくと広い視野が取れると思います。
また、目が慣れるまでの30分は粘ってみて下さい。この時期は寒くてなかなか大変ですが、しっかりと暗闇に慣れた目で見る星空は、たとえ流れ星が見えなかったとしても十分にご満足いただけるものです。
そして何より重要なのは、いっしょにいる人と同じ方向を眺めること。私が案内をしている時にもよくあるのが、ひとりだけ流れ星が見えて、お連れ様は見逃してしまう……というケースです。
そうなってしまうと、見ていない方は流れ星を見つけるまでは諦めきれないと思います。そしてお互いが納得するまで見続けることになり、体も心も冷え切ってしまうなんて事にもなりかねません……。
これではせっかく綺麗な星空を見ているのにもったいないですよね。同じ方向を見て、同じ流れ星を見られるのがとても良いと思います。
そして、その時に役立つのが先程のオリジナルの名付けです。自分たちで名前を付けた星や星座の近くを流れ星が流れるというのは、とてもロマンチックで思い出に残ることではないでしょうか。
周りの迷惑にさえならなければ、星空の楽しみ方に決まりはありません。皆様ならでは、あるいは八ヶ岳ならではの星空の楽しみ方を見つけ出し、最高の思い出づくりをしてください!
高地の澄んだ空気の中にきらめく満天の星空、八ヶ岳の大地と星空が生み出す悠久の時間。この中に身をおくことで、私たちは広大な宇宙の中のとても小さな存在であり、隣にいる大切な人とともに生きる喜びを感じられるはず。ぜひ、星めぐる大地八ヶ岳にお越しください。
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