武の井酒造の「NOBU SAKAGURA Cellar Door」で鮮烈な香りの大人のスイーツ「はなたれのババ」誕生

酒蔵やワイナリーなどが多く集まる八ヶ岳エリア。単にお酒をつくるだけでなく、お酒を購入したり、試飲や見学といった体験もできるアルコール文化の発信拠点として人気を集めるところも多くなっています。

それでも、やはり酒蔵といえばお酒自体が好きな人の場所というイメージを持つ人も多いでしょう。でも、お酒そのものだけでなく、お酒を核に違ったアプローチを形にしている酒蔵も増えています。

そんなひとつが、今年2024年春に新たにオープンしたNOBU SAKAGURA Cellar Doorです。

お酒を飲む人も飲まない人も楽しめる新施設

NOBU SAKAGURA Cellar Doorは、創業160年を迎える山梨県北杜市高根町の武の井酒造にできた新施設。武の井酒造の創業家・清水家の方々が暮らしてきた母屋があった場所に建てられたもので、ショップ、飲食スペースが入ったショールームです。

2024年3月8日にオープンしたNOBU SAKAGURA Cellar Door。

4月5日には飲食スペースも営業スタートしました。

ちなみに施設名に入っている「NOBU」は、武の井酒造4代目の清水武文さんの妻で、明治から平成まで4つの時代を生きた清水申(しみず・のぶ)さんの名前から取ったもの。申さんが残した手書きのレシピノートや生物学のノートなどが見つかり、好奇心旺盛で武の井酒造の歴史に大きな存在感を残した女性だったことが改めてわかってきました。

申さんのように素敵な生き方へとつづく扉に、そして年齢や性別、お酒を飲む・飲まないといったことを問わず、気軽に扉を開けられる場所に、という思いを込めてこの名前が付けられています。

チーズと酒粕を使った「お酒にあうパン」

さて、思いにも込められているように、NOBU SAKAGURA Cellar Doorはお酒を飲まない人や普段あまり興味がない人にも向けられた場所。そのコンセプトを形にしたもののひとつが、さっそく登場しています。「お酒にあうパン」です。

日本酒・米焼酎にあうパンは、6代目で現社長の清水元章さんがずっとつくりたいと温めてきた企画。今回、葡萄屋kofuを展開するプロヴィンチアの古屋浩社長や、葡萄屋kofuのグランシェフである洋菓子舗ウエストの金子博文シェフといったパートナーを得て、商品化が実現しました。

5月に行われたプレス発表会で登壇した清水元章社長。

実はプロヴィンチアの古屋社長は、話を持ちかけられた当初は断るつもりだったそう。しかし、実際に食べた武の井の酒粕が想像以上においしく、「これなら」とパンづくりに取り組むことを決意。酒粕とチーズを使ったパンを形にしました。

同じく5月の発表会で登壇したプロヴィンチアの古屋浩社長。

もちっとした食感が印象的な「お酒にあうパン」。食べるときはフライパンなどで焼き目をつけると、表面がサックリとし、香ばしさも増します。ほんのり甘みを感じる味わいは、お酒にあうのはもちろん、スイーツとしてもおいしそう。

「はなたれ」焼酎と合わせることで大人のスイーツに!

「お酒にあうパン」は単体でのテイクアウト販売も行っていますが、飲食スペースではこのパンにシロップをセットにした「はなたれのババ」を提供しています。

「ババ」というのはフランスなどで食べられているお菓子。ブリオッシュのようなケーキにラム酒を染みこませたものです。よく似たものに、同じくラム酒などを染みこませる「サヴァラン」もあります。

プロヴィンチアの古屋社長が「お酒にあうパン」というコンセプトを聞いたときに真っ先にイメージしたのが「サヴァラン」でした。武の井のお酒を使ったシロップをたっぷり染みこませて食べる形に仕上げ、最終的に「ババ」として提供することに。

シロップに使われるのは焼酎のなかでも「初垂れ(はなたれ)」と呼ばれるもの。焼酎の原酒は蒸溜の段階によって「初垂れ」「本垂れ(ほんだれ)」「末垂れ(すえだれ)」に分けられ、「初垂れ」は蒸溜初期に取れる貴重なものです。量は少ないですが、香りやうまみなどがギュッと詰まっています。

武の井純米はなたれ焼酎。

武の井酒造の「はなたれ」も、テーブルに置かれただけで香りがふわっと漂ってくるくらい鮮烈な華やかさ! パン自体ももちろんおいしいですが、この「はなたれ」のシロップと合わせた「ババ」が、この「お酒にあうパン」の真骨頂なんです。

店舗では「はなたれのババ」は、ノンアルコールシロップ付きのものと、シロップと焼酎の「はなたれ」が付いたものの2種類を提供しています。「はなたれ」を煮切ってアルコールを飛ばしたノンアルコールは、スッキリとした味わい。お酒独特の香りが苦手という人もまず気にならないと思います。「お酒ってこんなふうにもなるんだ!」とイメージを新しくしてくれるかも。

そして、「お酒OK」という人にはぜひ試してほしいのが「はなたれ」付きの「ババ」。本来の「ババ」には香りが強いラム酒が使われますが、武の井の「はなたれ」も香りが鮮烈! 焼酎ってこんなにフレッシュな香りを持っているのか、と驚くほどです。

シロップといっしょに染みこませると、落ち着いた味わいのパンが、一気に華やかな大人のデザートへと印象を変えます。

発表会の際提供されたシロップ(左)と「はなたれ」(右)。フルーティで華やかな香りを放つ「はなたれ」の香りに触れると、確かにラム酒に負けない「ジャパニーズ・ババ」ができると感じます。

お酒を飲まない人が食べてもおいしく、アルコールと合わせればさらに印象が変わる「お酒にあうパン」。お酒を飲む・飲まないといったことを問わないNOBU SAKAGURA Cellar Doorを象徴する一品だと感じました。

「はなたれのババ」は飲食スペースがオープンした4月5日から提供中。ノンアルコールのシロップ付きが500円、シロップと「はなたれ」付きが600円となっています。

テイクアウトの「お酒にあうパン」は、直径約12㎝の円柱型、ギフトボックス入りで1個1,512円。

お酒を使ったスイーツは今後もいろいろ?

まず形になったのは「お酒にあうパン」ですが、NOBU SAKAGURA Cellar Doorでは今後もさまざまな提案を考えているようで、清水社長やプロヴィンチアの古屋社長ら、関わる人たちが集まった発表会でも、「酒粕とレーズンを使ったスイーツを考えてみたい」「プリンをつくってみたい」などいろんなアイディアが飛び出していました。

NOBU SAKAGURA Cellar Door発のお酒を使ったスイーツの第2弾も準備中とのことなので、今後も楽しみが広がります。

お酒好きな人も、飲めない人も、一度新しい酒蔵のドアを開けに行ってみませんか?

[お酒にあうパン/はなたれのババ]

提供場所
NOBU SAKAGURA Cellar Door(山梨県北杜市高根町箕輪1450)
営業
11:00〜16:00(金〜月曜)
価格
お酒にあうパン:1ホール=1,512円
はなたれのババ:ノンアルコールシロップ付き=500円、シロップ・はなたれ焼酎付き=600円

SPOT INFORMATION

NOBU SAKAGURA Cellar Door(ノブ サカグラ セラー ドア)

1865年創業の武の井酒造の酒蔵に併設されたショールーム。ショップに加え、武の井のお酒とのマリアージュを提案する飲食スペースが入っている。
施設名の「NOBU」は武の井酒造4代目の清水武文さんの妻で、明治から平成まで4つの時代を生きた清水申(しみず・のぶ)さんの名前から。

住所
山梨県北杜市高根町箕輪1450
電話番号
0551-47-5963
営業時間
日本酒・純米焼酎・グッズ・食品の販売=9:00〜17:00
利き酒・飲食の提供など=11:00〜16:00(金〜月曜)
Instagram
https://www.instagram.com/nobu_sakagura/

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