諏訪湖のほとりにある長野県岡谷市は、明治から昭和初期にかけて国内を代表する製糸産業の拠点として栄えた土地でした。最盛期には実に日本の製糸生産の4分の1を占めるほどだったんですよ。
そんな製糸産業の遺産はいろんな形で諏訪エリアに残されています。なかでもその歴史を知ることができるのが岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかやです。
江戸から昭和にかけての製糸機械が残る貴重な博物館
シルクファクトおかやは日本、そして岡谷の製糸産業の歴史や、製糸の様子を見ることができるミュージアム。
横浜開港から重要産業として製糸が盛んになっていく歴史や岡谷に集まった女工さんの生活をパネルなどで知ることができるだけでなく、さまざまな製糸機械がズラリと並んでいます。唯一現存している、創業当時の官営富岡製糸場で使われていたフランス式繰糸機や、当時の諏訪式繰糸機をはじめ、江戸時代から昭和にかけての製糸機械類が並べられているんです。
手作業から工業化への歴史がわかるだけでなく、機械好きにはたまらない内容ですよ。
本物の製糸工場がミュージアム内に!
また、このミュージアムで面白いのは、本当の製糸工場が入っているところです。
現在も製糸を行っている宮坂製糸所がミュージアム内に移転しており、その製糸の様子を見ることができるんです。
宮坂製糸所は、伝統的な生糸の生産方式が系統的に残されている日本で唯一の製糸工場。諏訪式繰糸機や日本伝統の上州式繰糸機が実際に稼働しているのを見られます。
『源氏物語』をイメージした植物染めの展示も
さらに、ミュージアムでは企画展も。たとえば、現在は「自然の色を纏う ~吉岡幸雄の世界 源氏物語の彩~」という企画展が行われています。
この展示では法隆寺や東大寺の絹織物の復元を行う染司よしおか・5代当主の吉岡幸雄さんによる染め物を展示。化学染料が生まれる以前の、古代の手法による植物染めの世界を見ることができます。
今回は『源氏物語』をテーマにしており、物語に登場するさまざまな女性たちのイメージに合わせた、さまざまな色の染め物が展示されているんですよ。
「自然の色を纏う」は5月27日までの開催。会期は残りわずかとなっていますので、シルクや『源氏物語』、吉岡幸雄さんの世界に興味がある人はぜひお早めにどうぞ!
[自然の色を纏う ~吉岡幸雄の世界 源氏物語の彩~]
- 開催期間
- 2018年4月19日(木)~5月27日(日)
- 会場
- 岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや(長野県岡谷市郷田1-4-8)
- 入館料
- 一般=500円、中高生=300円、小学生=150円
※団体(10名以上)は割引
※諏訪6市町村の小・中学生、岡谷市内に在住・在学の高校生は無料
※障がい者手帳をお持ちの方は本人と介護者1名が無料 - 開館時間
- 9:00〜17:00
- 休館日
- 水曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、12月29日~1月3日
- 詳細ページ
- 企画展『自然の色を纏う ~吉岡幸雄の世界 源氏物語の彩~』 開催中 | 岡谷蚕糸博物館
http://silkfact.jp/news/exhibition/scheduled/%E4%BC%81%E7%94%BB%E5%B1%95%E3%80%8E%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%81%AE%E8%89%B2%E3%82%92%E7%BA%8F%E3%81%86%E3%80%80%EF%BD%9E%E5%90%89%E5%B2%A1%E5%B9%B8%E9%9B%84%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%80%80%E6%BA%90/