舞台芸術だけれど、舞台美術は使わず、映像などと組み合わせてつくりあげる。そんな「新しい時代の総合芸術」がこの冬、長野県の茅野市民館で行われます。
12月5日に行われる「鏡のなかの鏡」です。
公演に先立って本日11月13日に茅野市民館で制作発表会見が行われました。制作実⾏委員会の髙橋淳さんも「人に伝えるのが難しい舞台」と語る今回の舞台、どんなものなんでしょうか?
身体表現×音楽×メディアアートの新しい舞台
「鏡のなかの鏡」はフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルのピアノ組曲「鏡」にインスパイアされてつくられた舞台。
今回、作・演出を担当している岩⽥渉さんは、コロナ禍を受けて映像作品をつくっていたのですが、「映像を見せるだけではもったいない」と考えていたところに、ピアニストの福井真菜さんから今回の作品の構想を聞く機会があり、舞台としてプロジェクトをスタートさせることになったそうです。
そんなふうに生まれた「鏡のなかの鏡」は、ピアノとダンサーによる身体表現、さらに新しい映像技術を使ったメディアアートを組み合わせたもの。ダンサーの動きをリアルタイムでトラッキングし、映像に反映したり、演奏されるピアノの音を拾って映像を投影したり、これまでにはなかった映像技術と組み合わせることで生まれた舞台です。
【公式】鏡のなかの鏡/Spiegel im Spiegel トレイラー from Objet α Institute on Vimeo.
今回は、フランスを足場に20年間ヨーロッパで活動していた福井真菜さんのほか、世界バレエ&モダンダンスコンクールで第1位とニジンスキー賞を受賞するなどさまざまな実績を持つダンサー・振付家の平山素子さん、ニューヨーク、ヨーロッパのダンスカンパニーで活動し、今回もベルリンから帰国したダンサーのカズマ・グレンさんが出演。
また、鍵のひとつであるビジュアル・プログラミングは国内外のさまざまなアーティストのMVを手がけるほか、VJとしても活躍する神田竜(Kezzardrix)さんが担当しています。
オンラインの時代だからこそ生の体験を
会見で平山さんも「今年は舞台に立つことはできないのではないかと思っていた」と話したように、今年はコロナの影響で舞台作品はなかなか難しい状況にありました。現在もベルリンから帰国したカズマ・グレンさんはまだ自主隔離を行っているため、まだリハーサルもZoomでのリモートで行っており、来週からようやく生身でのリハーサルに入れるそうです。
オンライン公演も多くなっていますが、平山さんはそんな時代だからこそ「もう一度身体の体験、生の体験を」とコメント。「舞台芸術は生ものなので生でやりたい。五感を使って感じて欲しい」と語っていました。
12月5日の公演はまずトライアルという形。来年2021年の4月25日に本公演を行う予定となっていますが、平山さんも語るとおり舞台は生もの。毎回そのときしか見ることができないないようになります。
新しい時代の新しい表現と舞台、ライブ配信も予定されていますが、こんな時代だからこそ生で味わってみてはいかがでしょうか。
[鏡のなかの鏡]
- 公演日
- 2020年12月5日(土)
※今回はトライアル公演。2021年4月25日(日)に本公演を予定 - 時間
- 15:30〜(開場=15:00)
- 会場
- 茅野市民館マルチホール(長野県茅野市塚原1-1-1)
- チケット
- 会場:前売り=3,000円、当日=3,500円
※全席自由
※高校生以下、障がい者および同伴者は入場無料。未就学児は入場不可
ライブ配信:2,000円 - 公式サイト
- https://spiegel.objet-a.art/edition2