野菜やフルーツ、畜産物にきのこ、山菜、ジビエなど食材の宝庫である八ヶ岳エリア。なかには珍しい野菜もあります。
たとえばこの野菜、何だかわかりますか?
これ、実はきゅうりなんです。
増富エリアに受け継がれる増富きゅうり
この大きな野菜は、山梨県北杜市の増富地域の伝統野菜である「増富きゅうり」。普段見かけるきゅうりとは色も形も、そして何より大きさも違うので、最初にきゅうりだと教えてもらったときには驚きました。
現在では貴重な存在になった増富きゅうりを育てているひとりが畑山農場の畑山貴宏さん。北杜市で農薬・化学肥料を使わずいろんな野菜を育てている農家さんです。
そんな畑山さんが興味も手伝って行っているのが自家採種。現在の農業では種を購入して育てることが多いですが、育てた農作物から種を採るのが自家採種です。
研究や品種改良の結果生まれた種で育つ野菜も、その分味や育てやすさなどの魅力がありますが、自家採種から生まれた在来種などはその土地ごとの個性を持った味を楽しめます。畑山さんもおいしいと思える野菜を選びながら自家採種などでいろんな野菜をつくっているそうです。
そんなひとつ、増富きゅうりは増富地区で受け継がれる在来種で、かつてはたくさんの人がつくっていたそうです。
実際に調理にチャレンジ!
どんなお味なのか、ハチ旅スタッフも実際に調理して食べてみました。
一般的なきゅうりとちょっと違うのは皮を剥くのと、種をとってから食べることです。まずは半分に切って種取りをしたのですが、切って驚いたのは水気の多さ。種のまわりは果物のように水気があり、割ると水分があふれてきました。
皮を剥いてみると真っ白で、一口大に切ると大根のような見た目になりました。
そのまま食べてみると、お味はやはりきゅうりに近いです。食感がやや柔らかく、瓜に近い印象でした。また、種のまわりのあたりはほんのり酸味があります。
漬物などにしてもおいしいそうですが、今回は手軽にできる食べ方を試すことに。豆板醤とごま油、鶏ガラ調味料で和えて、ピリ辛きゅうりのようにしてみました。
見た目はやはりカクテキのようですね。大根はもちろん、きゅうりよりもやや柔らかさを感じる歯ごたえで、シャリっとした食感。
風味の強い調理法だったこともありますが、一般的なきゅうりより青臭さが少ない印象で、きゅうりの風味が苦手という人も食べやすいかもしれません。クセが少なくさっぱりしているので、豆板醤の辛さと相性がよく、どんどん箸が進みました。
ちなみに、漬物などにするほか、炒めたりしてもおいしいそうですよ。
自家採種の野菜も入った野菜ボックスを販売中
増富きゅうりは一般的なきゅうり同様、夏が旬なので今年はもう収穫期も終わり。残念ながらまた来年までお別れですが、収穫期には畑山農場さんが販売している野菜ボックスに入ったりするそうです。
ちなみに、畑山農場さんの野菜ボックスは旬の野菜7品目を詰め合わせで送ってもらえるもの。10月には小松菜やルッコラ、カブ、大根、ブロッコリー、人参、サツマイモ、カボチャ、長ネギといった野菜が、収穫などに合わせて入る予定だそうです。このうち、長ネギ、カボチャ、人参、カブ、ルッコラは自家採種のものなんだとか。
八ヶ岳ならでは、畑山農場さんならではの野菜、試してみてはいかがでしょう。
▶URL:http://hatayamaorganicfarm.mystrikingly.com/
▶いろいろ野菜ボックス:月1回=2,800円
月2回=5,400円
月4回=10,200円