ホテルやペンション、旅館などさまざまな宿泊スタイルがある八ヶ岳エリアですが、今年新しい旅の形を味わえる場所が誕生しました。八ヶ岳西麓の古民家を1軒まるごと借りて過ごせる「ヤマウラステイ」です。
里山の集落で日常の喜びを再発見する旅
「ヤマウラステイ」は、長野県茅野市の「山浦」と呼ばれる地域にある一軒家に宿泊して過ごす旅を提供する企画。東洋文化研究者であり、古民家プロデュースの第一人者として知られるアレックス・カーさんが、築100年を超えるものもある4軒の民家を改装し、風格を残しながら過ごしやすい家に生まれ変わらせています。
ヤマウラステイのコンセプトになっているのは「特別な『ケ』を過ごす旅」です。お祭りなど非日常である「ハレ」でなく、日常である「ケ」の時間の喜びを再発見できる時間と場所を提供すること。ただ古民家に泊まるというだけでなく、そこで過ごす時間自体がこのプロジェクトのめざすものになっています。
アレックス・カーさんが注目したのも家自体以上に、その家がある集落の環境です。ヤマウラステイの古民家があるのは山に囲まれた隠れ里のような農村。その里山の日常生活にちょっとだけ入っていくような旅ができるのが「ヤマウラステイ」というわけです。
地域のお店によるデリバリーなどもできますが、しっかりしたキッチンも用意されているので、料理を楽しみながら本当に暮らすように過ごすこともできます。地元食材を事前に頼んでおくこともできますよ。
自然と寄り添いながら暮らしてきた人たちの生活のなかに
山浦という地域がある八ヶ岳西麓は、縄文時代から栄えた土地で、1万年以上前から自然に寄り添いながら人が暮らしてきた場所。冬の厳しい寒さのなかで培われた食文化など、今でも自然と共存する知恵や工夫が受け継がれています。
「ヤマウラステイ」では、そこに住む人たちと交流することも。集落を散歩したりするなかで、自然に言葉を交わすこともあれば、「ちの旅」というアクティビティのプログラムを組み合わせて、郷土のおやつづくりをしたり、集落の人と地域散策をすることもできます。
個性の違う4軒の家が迎えてくれる
「ヤマウラステイ」で宿泊する4軒の家は、それぞれがいろんな歴史や個性を持っています。
昔話に出てきそうな里山の景色が広がる集落にある広い一軒家「清水」をはじめ、ご隠居が暮らしていた小さな家「花兎」、川向こうにあるロマンあふれる立地の「金渓」、この地域独特の建築様式である本棟造りで建てられた「渋道」と、広さや佇まい、そこからの景色もさまざまです。
1〜2人で泊まるのにぴったりなところや、家族や友人たちと集まって過ごせる大きな家など、理想の過ごし方に合わせて選ぶことができます。
暮らしと文化に触れながら過ごす時間
季節ごとにさまざまな景色や経験ができ、その時期その時期に違った顔を楽しむことができる「ヤマウラステイ」ですが、たとえば寒さが厳しくなるこれからの時期は、その寒さを利用した「凍み」料理など、この地域の文化に触れることもできます。
里山で暮らすように旅する「ヤマウラステイ」。これまでとはちょっと違う時間を過ごしてみたい人は、利用してみてはいかがでしょう。
▶公式サイト:https://yamaurastay.jp/