年が明けると諏訪の人たちの間で話題になりはじめるものがあります。諏訪湖で起きる神秘的な自然現象、御神渡りです。新聞やニュースでも八劔神社による諏訪湖観察の様子が報道され、「今年の御神渡りについて」が関心事になっていきます。
500年以上に渡って息づく諏訪の自然信仰「御神渡り」とは
御神渡りは、諏訪湖の湖面が凍結し、大きな音とともに割れる現象で、古くから諏訪神社上社の建御名方命(男神)が下社の八坂刀売命(女神)のもとへ渡った跡と信じられてきました。冬の諏訪湖の風物詩であり、かつては頻繁に見られていましたが、近年では数年に1回しか見られなくなっています。
諏訪湖が全面結氷すると、南の岸から北の岸へかけて氷が裂けて、高さ30cmから180cmほどの氷が山脈のように盛り上がります。500年以上にわたって記録が残されており、現在も八劔神社の宮司さんがその判定を司っています。この判定、拝観は御渡り神事と呼ばれ、古来よりの八釼神社の特殊神事として諏訪市の無形民俗文化財にも指定されているのです。
今年も二十四節気のひとつ「小寒」の寒の入り、1月6日から湖面観察がはじまりました。暖かい年が続き、結氷せず御神渡りも出現しない「明けの海」となることが増えている近ごろ。今年も比較的暖冬で、例年にない暖かいスタートとなりましたが、大寒波や朝方に冷える日が続けば、6季ぶりの御神渡りを拝観できるかもしれません。立春までの約1か月間の観察が楽しみですね。
日々表情を変える冬の諏訪湖をライブ配信!
そんな冬の諏訪湖の様子が、2月28日までYouTubeにて「諏訪湖ライブカメラ」として配信中! このライブ配信では、諏訪方面からの可動カメラ、下諏訪方面からの定点カメラ、可動カメラの3画角から、日々表情を変える諏訪湖の様子をお届けしています。結氷した諏訪湖や、御神渡りが起こった湖面を見ることもできるかもしれません。冷え込んだ日はぜひチェックしてみてください。
諏訪湖での鑑賞時の注意
なお、諏訪湖は全面凍結した場合も氷の厚さや強さにムラがあり、状態も日々変化しています。また、諏訪湖は温泉や天然ガスが湧き出ているポイントがあるため、ところどころ氷が薄くなっているため大変危険です。諏訪湖の氷の上に立ち入るのは危険ですので、乗らないように注意してください。
[御神渡り ライブ配信]
- 配信期間
- 〜2024年2月28日(水)