【テンホウ大特集1】年間200万食の餃子を提供する、長野のソウルフード・テンホウ入門

「テンホウ」という名前を聞いて、どれくらいの人がピンとくるでしょうか。麻雀をやる人は役満の「天和」やオンライン麻雀の「天鳳」を思い浮かべるかもしれないが、それ以外でこの名前を知っている人は全国的には少ないはずです。

そう、長野県民以外は。

長野県民、特に諏訪エリアの人間にとっては、「テンホウ」といったら知らない人はいないといっていい、ソウルフードのようなラーメンチェーンです。

10月に移転したばかりのテンホウ・フーズさんの新社屋。オフィスと工場が入っています。

子どものころには家族で行き、高校生になったら学校帰りに寄り、大人になったらひとりではもちろん、地域の集まりなどでも利用する。諏訪エリアに生まれた人間にとって、テンホウに一度も行かずに暮らすのは不可能といっても過言ではありません。もはや諏訪人の宿命ともいえる存在がテンホウなのです。

日常使いのお店のため、利用客のほとんどは地元の人。観光でやってきて立ち寄る人はあまりいないでしょう。

岡谷から富士見までの諏訪盆地周辺だけで14店舗があるテンホウ。こちらは城南店さん。

「でも、テンホウは間違いなくこのエリアの名物! ぜひこの魅力と愛されぶりを知ってもらいたい!」ということで、ハチ旅はテンホウの本社を直撃。3回にわたってテンホウの魅力と歴史、秘密をご紹介します!

まず今回はテンホウの基本、「テンホウってどんなお店?」というのを地元スタッフが紹介します。

創業60年を超える長野県内のラーメンチェーン

テンホウの誕生は戦後間もない1956年。現在では長野県内に32店舗を構えています。

すでに紹介したとおり、長野県内、特に創業の地である諏訪周辺では常識ともいえるチェーンですが、一歩長野県外に出ると意外なほど知名度がありません。ハチ旅のスタッフでも長野県側に住んでいるスタッフは当たり前のように知っているのに、すぐおとなりの山梨県側のスタッフはまるで知らない。そんなちょっと不思議なチェーンなんです。

原点は餃子! 年間200万食も食べられる大定番

テンホウの代名詞ともいえるのが餃子。それもそのはず、テンホウのルーツとなったのは「餃子菜館」というお店なんです。

実はテンホウはもともと上諏訪駅前で「天宝 鶴の湯」という温泉旅館を営んでいました。その旅館の一角で開業したのが、諏訪エリア初の餃子のお店「餃子菜館」だったんです。

餃子に野菜炒め、ライスにキャベツキムチ、半熟卵、スープがセットになった「定食」は定番メニューのひとつ。

当時は餃子なんて食べ物はまるで知られておらず、ここで初めて食べてその美味しさに感動する人が続出。最初は旅館の一部で販売していたのが、やがて席を増やし、とうとうその後旅館を廃業し、1973年にテンホウ・フーズとして法人化したのが、現在のテンホウなんです。

お皿に描かれているのはテンホウのキャラクター・てんつる君。母体となった旅館が「鶴の湯」だったため、鶴のキャラクターなんですね。

八角やシナモン、フェンネルなどの香辛料を使った野菜多めの餃子は現在もテンホウの大定番。年間200万食も食べられており、熱狂的なファンもいます。その秘伝のレシピは創業時から現在まで受け継がれているんだそうです。

普段使いのロープライス

餃子は1皿270円。醤油ラーメンは390円。名物のひとつ、タンタンメンも490円と価格設定は非常にリーズナブル。まさに地元の普段使いのお店なんですね。

さらに、店舗ごとに毎月数回ギョウザのサービスデーがあり、この日は餃子が半額以下の130円に。また、毎月14日はテンホウの日と設定されており、タンタンメンシリーズが140円引きになります。利用していて不安になるほどのサービスぶりです。

そんなこともあり、家族などはもちろん、学校帰りに利用する高校生もよく見かけます。味だけでなく、手ごろな価格も愛されている理由のひとつなんです。

初めてのテンホウならとりあえずコレ!

定番のラーメンだけで30種類近くあるテンホウ。お気に入りも人によってさまざまですが、「初めてテンホウに行く」という人が食べるならオススメはタンタンメンです。

餃子と並んでテンホウの名物といえるメニューなのですが、一般的なタンタンメンとは違って辛くないのが特徴です。ピーナツなども使わず、ゴマだけでつくっており、味も一般的な担々麺とは別物という感じになっています。

テンホウのタンタンメンは、最近の担々麺ブームのずっと前から提供されている人気メニュー。地元スタッフの小林などは、この味が担々麺のスタンダードだと思って育っていたので、大学時代に東京で担々麺を食べて「え……俺の知ってるタンタンメンと全然違う……!」と衝撃を受けたものです。

肉揚げタンタンメン。大きな肉揚げがトッピングされています。

なお、テンホウには「肉揚げ」という味付けした豚肉のロースを揚げたトッピングメニューがあり、これを乗せた「肉揚げタンタンメン」も定番。初めての人はまず肉揚げタンタンメンと餃子を食べてみるのをオススメします。

そして、食後はソフトクリーム。

テンホウではおなじみのソフトクリーム。こちらはワンコイン(100円)のミニソフト。

愛知県を中心にしたラーメンチェーン・スガキヤで提供していることが知られていますが、ここ、テンホウでも昔からソフトクリームを扱っているんです。ラーメンとセットでどうぞ!

次回からは歴史や魅力を知るべく大石社長を直撃!

さて、テンホウがどんなお店かというのをざっとご紹介しましたが、次回からはさらにその魅力や歴史に迫るべく、テンホウの本社を直撃。大石壮太郎社長にお話をうかがいます。お楽しみに!

テンホウ特集第2回はこちら

【テンホウ大特集2】魅力の理由は美味しすぎないこと!? テンホウ・大石壮太郎社長インタビュー
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【テンホウ公式サイト】
みんなのテンホウ | 長野県のラーメンチェーン
http://tenhoo.jp/

SPOT INFORMATION

テンホウ 諏訪 城南店

長野県、特に諏訪エリアではソウルフードと呼ぶにふさわしいラーメンチェーン・テンホウ。名物の餃子やタンタンメンをはじめ、さまざまなメニューで地元の人に親しまれています。
上諏訪駅からも徒歩圏内にある諏訪 城南店はテンホウの2号店で、現在ある店舗のなかでももっとも歴史があるお店です。

住所
長野県諏訪市城南1-2365-7
電話番号
0266-52-0840
営業時間
11:00〜22:00
定休日
無休
料金例
テンホウのぎょうざ(270円)
醤油ラーメン(390円)
タンタンメン(490円)など
駐車場
あり
詳細ページ
みんなのテンホウ | 長野県のラーメンチェーン
http://tenhoo.jp/

テンホウ 諏訪 城南店(ラーメン/餃子/諏訪市)
http://tenhoo.jp/stores/%e5%9f%8e%e5%8d%97%e5%ba%97/

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