この春、長野県富士見町に新しいテーマパークが誕生するのをご存知ですか? 4月26日にオープンを迎える体験型の野菜のテーマパーク「カゴメ野菜生活ファーム富士見」です。
カゴメさんは1968年、富士見町の企業誘致第1号として工場を設立。カゴメの主力工場として「野菜生活」やトマトジュースといった野菜ジュースを製造しています。学校向けなどを中心に工場見学を行ったり、50年にわたって地元に愛されてきました。
そんなカゴメさんが新たにオープンさせる「カゴメ野菜生活ファーム富士見」は、カゴメの商品づくりを野菜づくりから購入するところまでを体験できる施設。カゴメ富士見工場、露地栽培やトマトの栽培を行う八ヶ岳みらい菜園、観光施設として新設されたカゴメ野菜生活ファームが一体となっています。収穫体験をはじめとした農業体験、工場見学、地元食材、野菜をたっぷり使った料理を楽しむレストラン、ここだけの限定商品など、いろんな形で野菜を知り、体験できちゃうんです。
カゴメは2016年に「トマトの会社から、野菜の会社に。」というビジョンを掲げ、従来のトマトジュースやケチャップといったトマト製品のイメージから、より幅広く野菜の価値を発信する企業へ転換しています。「カゴメ野菜生活ファーム富士見」は、そんな野菜の会社、カゴメを体現する場所としてつくられています。
今回はオープンに先駆けて、一足先に「カゴメ野菜生活ファーム富士見」にお邪魔してきました。
限定アイテムも盛りだくさんのショップとこだわりレストラン
フロントともいえる観光施設・カゴメ野菜生活ファームにはショップやレストランが入っています。
ショップには限定パッケージの「野菜生活100」をはじめ、ここだけのマグカップや長野県産の果物を使ったミックスジャム、缶バッジやマスキングテープといったオリジナル商品が。
また、地元・富士見町ではおなじみの泉屋、キャトルセゾンと共同開発した焼き菓子も販売されます。
館内のレストラン・IL FAGGIO(イル・ファッジョ)では朝採れの高原野菜など地元素材を使ったイタリアンを提供。イタリア製の薪窯で焼いた本格ピザやパスタなど、こだわりの料理をいただけます。
広い菜園エリアには天井いっぱいに広がる「トマトの樹」も
カゴメ野菜生活ファームの奥には八ヶ岳みらい菜園の農地が広がっています。現在はシーズン前のためまだ準備中のところも多いですが、これから夏にかけて露地栽培などが進められ、ジュースの原料となったり、ショップやレストランで販売されたりするそうです。また、工場の排温水を菜園の温室に再利用するといった循環型農業の実践も行われています。
そんな農地を利用しての農業体験も行われます。収穫のほか、トマトの苗植えや採れた野菜を使っての料理体験など、野菜を育て、味わう体験を楽しめます。体験プログラムは公式サイトで予約可能。オープン直後の時期は収穫期に向けたトマトの植え付けといった体験が予定されています。
また、無料で入ることのできるトマトの観光温室も。トマトは世界に1万種ともいわれるほど多くの品種があり、普段はなかなか目にする機会のない珍しいものがたくさんあります。
この温室では生食用はもちろん、非生食用のトマトなど数あるトマトの一部を目にすることができます。なかにはカボチャのような形をしたトマトなんてものもあるんですよ。
そして、ひときわ目を引くのは天井に広がったトマト。カゴメが開発した高リコピントマトを、ちょっと変わった栽培方法で天井に伸ばしているんです。
スタッフの間では「トマトの樹」と呼ばれているそうで、夏にはさらに赤いトマトが増えていき鮮やかになっていく見込みです。また、成長も続いていき、シーズン終わりの秋ごろには温室の天井いっぱいに広がるそうです。ファームでも屈指のフォトスポットになりそうですね。
年間5.4億本相当の野菜ジュースがつくられる現場へ
農地のさらに奥にはカゴメ富士見工場が。これまでも主に地元の学校向けなどに工場見学が行われていましたが、「カゴメ野菜生活ファーム富士見」では日常的に見学プログラムが行われるようになります。
見学はマルシェと呼ばれる建物からスタート。野菜ジュースに使われている原料について教えてもらいます。
ちなみにこのマルシェ、ちょっと変わった形なのに気付くでしょうか? そう、野菜ジュースの紙パックを模した形になっているんです。思わず写真を撮りたくなるスポットですね。
そして、いよいよ工場へ。ここでは200ml入り容器換算で年間5.4億本相当もの「野菜生活100」がつくられているんですよ。その充填などの製造工程を窓越しに見ることができます。
ちなみに「野菜生活100」は、実はひとつひとつパックをつくってから注がれているわけではないんです。紙パックは最初はひとつの大きな筒にされ、複数分のパックがつながったまま野菜ジュースが充填されていくんです。そして、充填されたあとにカットされ完成。意外な方法に驚きました。
工場ではロール状のパックが組み立てられ、充填、完成するまでの複雑な工程がすごいスピードで行われていきます。もっとも速い機械の場合1秒間に6.6パックものペース。これは現時点で国内でもっとも速い機械なんだそうです。
このほかにも発見はたくさん。ぜひ実際に見学していろいろな秘密に触れてみてください。工場が稼働していない日もありますが、そんな日は工場見学用のパネルを使って、VRで動いている工場の様子を見ることができますよ。なお、今回は取材のために撮影させてもらいましたが、見学プログラムでは工場内は撮影不可となっているのでご注意ください。
タンクの中で働く“カゴメ人”に会えるミュージアム
工場を出たあとは畑道を通ってミュージアムへ向かいます。
このミュージアムはもともとカゴメのソースをつくっていた施設を利用してつくられています。中に入ると巨大な醸熟液のタンクが! それぞれのタンクにジオラマなど、カゴメの野菜ジュースづくりの様子が表現されています。
そして、真ん中にある白いタンクを使ったプロジェクションマッピングも。野菜ジュースづくりを表現した映像を楽しめます。
カゴメのジュースづくりや取り組みをたっぷり知ることができるこのツアーは、1回定員20名で1日8回開催されます。すでにゴールデンウィークは満員の日も多くなっていますが、わずかに残っている回もあるので、連休中に遊びに行きたい方はお早めの予約をどうぞ!
営業は畑の季節のみ
食と農業に触れられるテーマパークとして生まれた「カゴメ野菜生活ファーム富士見」。野菜を体感するテーマパークというコンセプトから、当面の営業は野菜の栽培などが行われる4月から11月までを予定しています。
その分、季節ごとに体験できること、見ることができる風景も変わっていきます。今回は春先の見学でしたが、野菜の収穫が盛んになる夏などには、今とはまた違う賑やかな景色も見られそうです。
大人だけでも、親子でも、みんなで楽しめる野菜のテーマパーク、ぜひ足を運んでみてください!
[カゴメ野菜生活ファーム富士見]
- 住所
- 長野県諏訪郡富士見町富士見9275-1
- オープン
- 2019年4月26日(金)
- 営業期間
- 4月〜11月予定
- 営業時間
- 10:00〜18:00
- 定休
- 火曜(祝日除く/2019年4月30日は営業)
- 入場料
- 無料/農業体験・調理体験は有料/工場見学は無料
※各種体験は公式サイトからの予約制 - 公式サイト
- 野菜生活ファーム|カゴメ株式会社
https://www.kagome.co.jp/ysfarm/