建築家・藤森照信設計の日本初の宿泊施設「小泊Fuji」長野県富士見町に開業、“いのちの中で呼吸する”心を満たす滞在を

建築家・藤森照信氏が設計を手がける「小泊Fuji」開業

世界的建築家・藤森照信さんが設計を手がける日本初の宿泊施設「小泊Fuji」が、長野県富士見町に8月20日に開業しました。

八ヶ岳エリアではお馴染みの “くらしまわりの朝食シリーズ”も展開している山越典子さんが、藤森さんの建築に惚れ込み2010年に設計を依頼してから構想13年目にして開業した「小泊Fuji」。「自然との調和」を建築最大のテーマとする藤森照信氏によって設計されたこの宿は、南アルプス、富士山、八ヶ岳を望む4000平米の敷地の高台に佇んでいます。

藤森照信さんは長野県茅野市の出身。茅野市内では4つの建物が一般公開されており、八ヶ岳にもゆかりある建築家です。その唯一無二の建築は“藤森建築”と呼ばれ、世界からも注目を集めています。「小泊Fuji」は1日1組限定(定員5名)で、チェックイン後に施設スタッフが常駐しない完全プライベート型の宿。里山の風景に囲まれながら、そんな“藤森建築”の世界観を堪能することができますよ。

「いのちの中で呼吸する」ゆっくりと心を満たす滞在を

「小泊Fuji」では、「いのちの中で呼吸する」をコンセプトに掲げ、“人と自然が織りなす里山の風景に、ゆっくりと心を満たす滞在”を目指しています。小高い丘の上には樹齢300年の枝垂れ桜、伸びやかに広がる田園の風景、広い空に広がる星空、どの季節にもここでしか感じることのできない美しさに出会える場所です。

屋根全体には手曲げの銅板が張られ、その屋根の上には富士桜が植えられていて、経年変化していく様子と季節ごとの植物の表情が楽しめます。外壁には焼杉を使用し、室内は漆喰の壁、床や家具などはクリの材で仕上げられたあたたかい空間に。宿に置かれている家具も藤森さんによるデザインのものとなっています。

クリの材をあしらったくつろぎのお部屋、食事のプランも

滞在するお部屋は、白とクリの木を基調とし、くつろいだ雰囲気と開放的なデッキがあるリビングルーム、静かに眠りにつくベッドルーム、窓から切り取られた景色が美しいロフトの3部屋。これに加えて、地元の食品やお酒などを購入することができるパントリーストアがあります。夏はデッキでのんびりと、冬は暖炉の炎をゆっくり眺める時間もおすすめですよ。

夕飯は、お好みのスタイルで泊まることができるように3種類用意されています。地元の旬の野菜をたっぷりと使ったしゃぶしゃぶを、外出せずに宿で食べられる “ゆっくり気楽な調理セット”、近隣の道の駅などで手に入る新鮮な食材を持ち込んで自由に調理できるミニキッチンでのクッキング、近隣のおすすめレストランでのディナーやデリバリーです。

朝食は“くらしまわりの朝食シリーズ”の、自家製のオーガニックグラノーラ、牛乳または豆乳、オリジナルブレンドのホットケーキミックスに、バターなどのトッピングが用意されますよ。

「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」

また、「小泊Fuji」の開業にはクラウドファンディングも活用されています。オーナーの山越典子さんの呼びかけで2022年11月に行ったクラウドファンディングでは、銅板屋根の施工費用として目標金額の2倍以上もの支援を達成。支援者へのリターンとして、屋根に使用した手曲げの銅板や外壁の焼杉をつくるワークショップが行われ、約150人が参加しました。「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」。色々な人が関わってつくりあげた「小泊Fuji」には、藤森さんのこの言葉のように、このプロジェクトに携わった多くの人の思いが込められています。

さらに「小泊Fuji」では、宿泊記念として寝室の天井に小さな炭のピースを1人1ピース貼り付けることができるんです。藤森建築の特徴でもある漆喰の天井に炭を貼る意匠を、宿泊した方とともに約1年かけて完成させるため、変化し続ける宿でもあります。

身近な自然に寄り添う穏やかな人の営みを肌で感じ、人と自然が織りなす里山の風景を眺めながら、ここでしかない時間と空間を体験できる「小泊Fuji」。ふと思い出しては、いつでもこの景色の中に戻ってこられるような、心を満たす旅に出かけてみませんか?

[小泊Fuji]

公式HP
https://kodomari-fuji.jp/
場所
長野県諏訪郡富士見町(プライベート施設につき住所は非公開)
定員
1日1組限定(5名まで)
食事
朝食付き(セルフサービスでのご用意)、夕飯はプラン選択(ミニキッチン付き)
料金
一棟基本料金=66,000円(季節変動あり)、大人=8,800円、中学生=5,500円、小学生=3,300円、小学生以下=無料(詳細はHP)

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