上諏訪駅からもほど近い、甲州街道沿いに並ぶ諏訪の5つの酒蔵。今回はそんな諏訪五蔵を巡っていきます。
諏訪でもっとも小さな酒蔵、本金!
舞姫さん、麗人さんに続いて見えてくるのが酒ぬのや本金さんです。創業は1756年。諏訪五蔵のなかでも2番目に古い歴史を持つ酒蔵さんなんですよ。
そして、諏訪五蔵のなかでもっとも小さな酒蔵さんでもあります。現在も家族中心のお酒づくりを行っており、お酒の生産量も100石程度なんだそうです。
1石は約180リットル。100石というと、一升瓶で1万本分ということになります。ちなみに山口県の日本酒・獺祭が品薄で「幻」とまでいわれていた2013年当時、生産量は1万1,000石程。
獺祭の旭酒造さんは現在では5万石を超える生産力を確保しており、当時も決して少ない生産量ではなかったのですが、本金さんの生産量がいかに少ないか、ちょっとわかるのではないでしょうか。地元・諏訪ではメジャーですが、実はすごくレアなお酒なんですね。
蔵には小さな直売所があり、現在の看板「本金 太一」などの日本酒を販売しています。
また、酒粕や酒粕を使ったサブレなども。
実際にサブレを買って食べてみたのですが、口に入れた瞬間ふわっと酒粕の香りが漂います。後味に重さがなく、あと引く味です。お酒が飲めない人にもオススメですよ!
[酒ぬのや本金]
- 住所
- 長野県諏訪市諏訪2-8-21
- 営業時間
- 平日=9:00~17:00、土=10:00~17:00
- 定休日
- 日曜
- 電話番号
- 0266-58-0161
- スポットページ
- 酒ぬのや本金 – ハチ旅
https://8tabi.jp/spot/117/ - 公式サイト
- 酒ぬのや本金 – 信州・長野県諏訪の日本酒「本金」「太一」酒造元
http://honkin.net/
酒蔵だからできる、日本酒の梅酒に感動!
続いて向かったのは本金さんのほぼ向かい、「横笛」の名で知られる伊東酒造さん。1958年創業と、諏訪五蔵でもっとも若い酒蔵さんです。
店内にはネットショップでは扱っていない限定品を含め、さまざまなお酒が。取材にうかがった時期はやはり夏の季節商品がたくさん並んでいました。
試飲もさせてもらえるということで、まずは「純米吟醸生酒 夏穂の香」「純米吟醸生酒 よこぶえ」といった夏のお酒を試させてもらうことに。
やっぱりどちらも夏向けだけあってスッキリして品がある味わいですねぇ。長野県産白樺錦100%の「純米吟醸生酒 夏穂の香」は辛口でさらっとした飲み味ですが、お米のふくよかな香りが楽しいです。
ですが、ここで印象的だったのは梅酒! 梅酒というと一般的には焼酎でつくるイメージが強いですが、横笛さんでは日本酒で梅酒をつくっているんです。
そもそも家庭などで梅酒をつくるときに焼酎を使うのは、アルコール度数が高いから。焼酎に比べるとアルコール度数が低い日本酒だと、再発酵が起こりやすいんですね。再発酵するとお酒の密造となってしまいます。そのため、家庭での梅酒づくりでは一般的にアルコール度数20度以上のお酒を使うというのが目安といわれたりしています。
横笛さんでは温度管理などを行うことで、アルコール度数が低めの日本酒を使った梅酒を完成させています。
「日本酒ベースだとそんなに違うの?」と思っていたのですが、飲んでみるとびっくり! 普通の梅酒に比べてすごくスッキリした味わいなんです。甘さ控えめで梅の香りが爽やかなので、スルッと飲めてしまいます。
ちなみにこの梅酒、毎年10月にその年のものができあがるとのこと。人気のため、春前に売り切れてしまった年もあるんだそうですよ。
[伊東酒造]
- 住所
- 長野県諏訪市諏訪2-3-6
- 営業時間
- 平日=8:30~17:00、土日祝=10:00~17:00
- 定休日
- 無休(12月31日~1月3日除く)
- 電話番号
- 0266-52-0108
- スポットページ
- 伊東酒造(横笛) – ハチ旅
https://8tabi.jp/spot/474/ - 公式サイト
- 信州長野の地酒~大銘酒 横笛~のお酒をお届けします。【伊東酒造株式会社】|HOME
http://www.yokobue.co.jp/
ショップというよりミュージアムのようなセラ真澄
横笛さんをあとにして最後に向かったのは宮坂醸造さん。1662年創業と諏訪五蔵のなかでももっとも古い歴史を持ち、看板ブランドである「真澄」の名も有名です。
真澄はお酒好きの間でも有名ですが、実は日本酒の世界では「超」のつく有名蔵でもあります。日本酒をつくるために欠かせない酵母という微生物がいるのですが、真澄さんは現在も日本でもっともよく使われている「7号酵母」という酵母を発見した酒蔵なんです。そのため、7号酵母は「真澄酵母」なんて名前でも呼ばれているんですよ。
そんな真澄さんの直営店が、蔵の一角にある「セラ真澄」。入り口から店内までシックでオシャレな雰囲気です。
諏訪エリアを代表する酒蔵さんだけあって、ラインナップも豊富。定番商品はもちろん、限定品、特別パッケージのお酒などもいろいろあります。地元出身のハチ旅スタッフも「こんなにいろいろあるのか!」と改めて感心してしまいました。
こちらには試飲テーブルが用意されており、320円でその時々のオススメのお酒5種類前後を試飲できます。それぞれどんなお酒か丁寧に説明してくれますよ。
今回うかがったときは、長野県在住の美術家ナカムラジンさんとコラボレーションした特別パッケージの「真澄アーティストラベル2017」や「山廃純米大吟醸 七号中取り」など、数量限定品を中心に5種類のお酒を試飲させてもらいました。
なかでも「七号中取り」は“限定中の限定”ともいえる品。中取りというのはお酒をしぼる際に最初と最後のものを除いたもので、品質が安定してバランスのいいお酒になるんです。「七号中取り」は、7号酵母で仕込んだ純米大吟醸「七號」の中取りしたもの。
限定777本でシリアルナンバー入りという超限定品で、7月7日からオンラインショップとセラ真澄でのみ販売を行っていました。キリッと辛口でアルコール度数は16度とやや高め。日本酒好きの男性にオススメしたいお味でした。
もちろんほかのお酒も絶品! ハチ旅スタッフが気に入ったのは真澄の「純米生酒」です。
やはり辛口系なのですが、軽くてスッキリした味わい。それでいて水っぽくなく芯がある仕上がりになっています。「真澄アーティストラベル2017」もそうですが、女性客の多い上品な和食ダイニングでいただきたくなるような1本です。
ほかにもチーズなどとよく合いそうな、ワイン的なポジションの「MIYASAKA 美山錦」など、5本の試飲で真澄ブランドの多彩な顔を味わえるラインナップになっていました。
ショップ全体の雰囲気も相まって、直売店というよりミュージアムといった趣を感じるセラ真澄。「日本酒はあまり……」という人もぜひ立ち寄ってみて欲しいお店ですよ。
[セラ真澄]
- 住所
- 長野県諏訪市元町1-16
- 営業時間
- 9:00〜18:00
- 定休日
- 無休
- 電話番号
- 0266-57-0303
- スポットページ
- 蔵元ショップ Cella MASUMI – ハチ旅
https://8tabi.jp/spot/107/ - 公式サイト
- 真澄 蔵元ホームページ | 宮坂醸造株式会社(信州諏訪 7号酵母発祥の酒蔵)
https://www.masumi.co.jp/
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八ヶ岳のお酒を飲み歩こう! 八ヶ岳の地酒特集 – ハチ旅
https://8tabi.jp/feature/sake/